ようこそ。
加賀丸いもを生産している岡元農場です。
令和元年の稲刈りが順調におわり、乾燥機や各種機械の掃除、後片付けもまだ残っているのですが、天気がよく圃場が乾くとすぐに「加賀丸いも」の畝立て作業に取り掛かります。
今年の収穫の前に来年の畑をつくることになります。
と、ここで「えっ?」と「同じ畑じゃないの?」思われる方がいるでしょう。
「加賀丸いも」は連作はできません。
一度作った畑は少なくとも2年は休ませないといけないのです。
それだけ、地力や土の養分を使う作物なのです。
ただでさえ、限られた圃場でしか作れないのに、3年に一度だけ作れる。
そして、一つの種芋から収穫できるのは一つだけ。
これだけでも希少性がお分かりいただけると思います。
さて、話を戻して
来年畑作り。畝立て作業は、稲刈り後のよく乾いた圃場でなるべく気温がさがらないうちに取り掛かります。
秋は天気が変わりやすく、気温が下がってくると地面が乾かなくなるなるからです。
今年は、9月26日からこの作業にとりかかりました。10月上旬まで続き、残りは春先3月に仕上げる予定です。
この畝立て作業というのは、丸いもを来年植え付けるための畑を作る仕事です。本当は春の仕事ですが、春先は田んぼ(稲)の仕事もおおく(近年は後継者不足でお米の委託業務が増えて)より一層慌ただしいのです。そして、春の天候もなかなかよめません。しっかり乾いた状態にならないと丸いもの高畝を作るのはむずかしいのです。
ということで、今日は加賀丸いも畝立ての手順を簡単にご紹介しましょう!
①まず肥料を播き、トラクターで耕します。
②そこに紐で線を引き、*トレンチャーという丸いも専用の溝堀機で深い溝を掘ります。
③溝と溝のあいだを畝にするためにレーキという道具を使って平らに均します。
④均した畝の上に稲わらを手で搬入し並べて敷きこみます。(一部の圃場ではわらの代用で白マルチ敷にもしています)
⑤④のわらが飛ばないように鍬で土をかぶせて抑えをします。
以上、ざっと文章にするとこんな感じです。
*トレンチャーとは、加賀丸いもの高畝をつくる為に作られた溝堀機です。推定300キロ程度。現在は製造されていない貴重な機械です。
岡元農場では、この作業は4人から6人でやっているのですが、 この一連の作業の中には、文章には表せない実に細やかな工程と段取りも含まれています。
意思疎通と要領よく進めることがすごく大事です。圃場でトレンチャーやトラクターを使うと声もきこえないし、風向きにもよりますが奥行きが75メートルあると機械なしでも声はとおらないからです。
そして、実はこの作業に取り掛かる前にも事前に作業しています。
①稲刈り時にわらをとる。取ったわらを乾かしたのち山にする。
②稲刈り後の切り株をきれいに刈りなおす
③雨が降ってもすぐに乾くように溝を切って水はけをよくする
などなど、あれこれと手間暇をかけて進めています。
この畝の仕上がり状態がその年の丸いも畑のできばえにも左右します。
このように、今年の収穫前に来年の丸いもづくりはじまっています。
PS. 早くも収穫はいつですか?とのお問合せもいただいていますが、加賀丸いも10月は肥大期から熟成期に入ります。
収穫は11月。出荷調整作業を(乾かして泥をおとして、根っこをきれいに切ってサイズと形を選別する)してから皆様のお手元にお届けできるのは11月中旬以降の予定です。何卒よろしくお願い致します!
江戸時代から続く米農家で、現在は岡元豊が代表を務めています。
家族経営から平成7年3月に法人化し、有限会社 岡元農場を設立。
現在は、スタッフ5名(うち家族3人)で耕作面積35ヘクタール、主に水稲と地域の特産品である山の芋(加賀丸いも)を栽培する複合経営です。ホームページの情報更新は、主に代表の岡元豊と妻の雅子が行っています。