加賀丸いもを栽培して直販しています

ようこそ。加賀丸いも生産者の岡元農場です!

農場主は岡元豊(写真下真ん中)。

加賀丸いもを作り始めて31年目になります。(令和5年時点)

ここでは、私たちが育てている能美市の特産農産物である「加賀丸いも」について詳しくお伝えします。

【加賀丸いもとは】

石川県能美市で栽培されている山芋の一種。

植物学的にはヤマノイモ科、つくねいも群の黒皮種のやまのいも。

白山連峰を仰ぐ加賀平野のごく限られた地域だけで栽培されています。

黒い皮をむくと真っ白な芋となり、すりおろすといわゆる「とろろ」となる。

加賀丸いもの最大の特徴は強い粘り。

一般の長イモやヤマイモ・イチョウイモなどの大薯、自然薯と比べても断然強い「粘り」があります。

また山芋は一般的にはデコボコ状の塊だったりくねくねと細く長い形状の品種がほとんどです。

しかし当地石川県能美市根上地区の限られた地域では、古くから選抜栽培され「まるいいも」が残されました。

さらにこの地域独特の風土の白山からの清らかな水、手取川がもたらした豊かな土、日本海からミネラルたっぷりの風、もちろん太陽からのエネルギッシュな光と丸いも農家の創意工夫と努力の汗で味わい深い「加賀丸いも」が作られています。

加賀丸いもの旬は11月下旬から2月です!

加賀丸いもは年間を通して食べることができるのですが、現在は生産量が限られていますので地元以外の市場にはほとんど出回ってはいません。

12月中に生産量のほとんどが出荷されてしまいますので、お買求めの時期を逃さないようにご注意ください。

希少な加賀丸いもの価格(値段)は、その年の収量によってかわります(時価)し、形や大きさによってもランク分けされています。

目安としては、●贈答用などに使われる秀品(形のきれいな丸いも)でしたら\1500-2000/キロ ●ご自宅用など手軽にご利用の優品なら\1200程度(令和4年産現在)

くわしくはオンラインショップでご確認ください。

1.加賀丸いもの始まり(歴史)と、ここでしか作れない土壌の秘密

加賀丸いもの始まり(ルーツ)

大正時代、石川県旧能美郡根上町五間堂の沢田仁三松と秋田忠作の両氏が三重県から持ち帰った伊勢芋を栽培したことが始まりといわれている。

当時は「五間堂芋」と呼ばれていました。

大正九年には「仏掌芋」として石川県園芸品評会で二等賞を受賞している。

昭和になると近隣の中ノ庄、高堂地区でも芋作りが広まった。

そして昭和三年には「藷蕷」の名で北陸四県特産園芸共進会一等賞も受賞。

また、仁三松氏の子息沢田清隆氏が昭和四年「加賀丸芋」として能美郡特産品評会特別賞受賞。

このころからの呼び名で昭和八年の「根上村報」でも「加賀丸いも」として記されている。

昭和九年手取川の氾濫

石川県の白山連峰から日本海へと豊かに流れる手取川。

長い年月をかけて広大な扇状地「加賀平野」を肥沃な土壌にし、潤してきました。

昭和9年、長引く大雨のため手取川の堤防が決壊。

そこから大量の水と土砂が下流へと流れ出した。

当然、下流の村々は甚大な被害を受けた。

一方で田んぼの土と流れ出した川砂の混ざったところで「芋」を作り始めると、次第に丸みのある独特の風味の「まるいいも」が多く採れるようになった。

現在の加賀丸いもの栽培適地は、その洪水の流路と一致しています。

写真↑は能美市山田町に建てられている手取川水害紀念碑。

昭和9年の手取川大洪水は痛ましい災害をもたらしただけではなく、能美市の素晴らしい宝となる土を与えてくれたのです。

2.加賀丸いも栽培について

「昭和の初めごろの丸いも栽培について」

トラクターはもちろん耕運機などの農業機械はなく一部の牛馬以外の労働は手作業でした。

また、個々の栽培方法もまちまちで技術の確立もできていなかった。

さらに戦後の日本は高度経済成長へと生まれかわり、兼業化・離農など進んで丸いもの栽培面積も減少気味だったらしい。

しかし、昭和40年代になると農業機械の導入が始まったことにより、耕したり畝を立てたりの作業が軽減されてきました。

機械化と同時に栽培技術も試行錯誤で統一・確立されはじめてきました。

こうして、ある程度安定して栽培できるようになってくると、それまで個人販売であったものを根上町役場や農協と連携を図り、お米の生産調整政策と相まって共販の方向へと導かれました。

そして各集落の出荷組合も解散して農協での共選共販がはじまったのが昭和46年頃。

この間、中心的担い手農家たちの知識と経験と指導と努力によって、栽培技術の探究・共選共販のための研究など生産者や農協・農機具メーカー、農業普及員が一体となって「加賀丸いも」栽培に取り組みました。

「現在の丸いも栽培について(令和)」

▼種芋を植える様子

〇加賀丸いも専用トレンチャー現る!

現在、能美市での加賀丸いも栽培最大の特徴のひとつは高畝栽培法でしょう。

もともとこの機械は、違う用途のために使われていたが高堂地区の農機具会社が試行錯誤の改良を重ねて開発されました。

一般的に畝を成形するには前記のようなトラクタ式で行うのが普通です。

しかし、当地区では溝を掘るようにして畝を立てます。

この機械の出現によってさらに加賀丸いもがスムーズに育ちやすい土壌構造を物理的にできるようになりました。

これでさらに高品質の加賀丸いもがたくさん作れるようになりました。

〇オリジナル支柱柱仕立て栽培!

「トレンチャー」畝立てだけではありません。

「支柱棚仕立て栽培」も大きな特徴です。

全国にヤマノイモの産地はたくさんありますが、実際視察に行ってもほとんどが芋蔓を地面に這わせたまんまです。

しかし、能美市の丸いも農家たちはあえて支柱をさし、紐を張って棚をつくり、そこに蔓をそわせます。

これは加賀丸いもをさらに大きく丸くするための工夫です。

基本的にヤマノイモは山の芋です。

山の中で周りの草や木に蔓を伸ばして上へ上へと伸びようとします。

それを平地で再現したのです。

ただし、台風が来て強風にあおられても倒れないようにと今の形に行き着いたのでしょう。

丸いも栽培始まって100年という節目を超えました。

この長い歴史の中に多くの先人たちの思いや工夫、努力が今も感じられます。

3.加賀丸いもの希少性

一個の伊勢芋から始まった加賀丸いも。

一個の種芋から収穫できるのは一つだけ。

一つ一つ心を込めて、想いを込めて栽培に取り組んでいます。

多くの人たちの思いがいっぱい詰まっています。

「加賀丸いも栽培の難しさ」

こうして先人たちの汗と努力の結晶が加賀丸いもを残し、今でもその思いが、JA根上丸いも部会などで受け継がれています。

現在は(令和3年)生産者の高齢化と栽培方法の難しさから、生産者は15名程度になっています。

100年前からはじまった加賀丸いも栽培を今後につなぐためにも、これまでの方法にとどまらず、近年は若手生産者数名がマルチ栽培等の新たな試みも進めています。

*また、加賀丸いもの圃場は極限られていて、かつ、連作はできません。

*一度栽培した圃場は2年間は休ませる必要があるのです。

このような理由からも「加賀丸いも」がいかに希少な作物であり、高価な野菜であるかがお分かりいただけると思います。

「農場主は加賀丸いもマイスター!」

私、岡元豊は平成27年度(社)日本特産農産物協会より加賀丸いもマイスターに認定していただきました。

22歳で就農してから始めた加賀丸いも栽培も今年で29回目。(令和3年現在)

まだまだ達人にはなれませんが日本中にこの能美市の宝「加賀丸いも」を広めるべく拝命いたしました。

自分の言葉でお伝えしていきます。

★加賀丸いもは石川県の野菜で初めてGI登録認証をうけました!

GIとは、「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法)は地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物食品のうち、品質等の特性が産地と結び付いています。

その結び付きを特定できるような名称(地理的表示)が付されているものについて、その地理的表示を知的財産として保護し、もって、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的とされています。

私どもが栽培している「加賀丸いも」が、国の地理的保護を受ける農産物として認められたということで、農林水産省からも現地確認に数名の方々がこられました。

↓G認証登録の告示(登録番号第17号)(農林水産省より)

ご指定のページは見つかりませんでした。:農林水産省

石川県内では初めてのことで、とても励みになります。

4.加賀丸いもの栄養・調理・保存について

「加賀丸いもの栄養」

加賀丸いもの主成分は炭水化物「デンプン」や「マンナン」。

もちろん65パーセントほどは水分。

また、消化酵素(炭水化物分解酵素)のアミラーゼやジアスターゼ他おおくの消化酵素が含まれており、デンプンがアルファ化しているため生で食べられる。

ビタミンB1,C,Eも豊富で、カリウムと食物繊維は体内の余分なナトリウムを排泄する作用もあり便秘解消や大腸ガン・高血圧症予防も期待できる。

すりおろされた「とろろ」は胃壁の粘膜を保護してタンパク質を効率よく消化吸収させる。

よって体が弱っていたり疲れ気味のときには滋養強壮や疲労回復などに優しく作用するでしょう。

また、授乳期のお母さんが食すと母乳がたくさんでることもあるそうです。

このように栄養成分的にもたくさんの特徴をもつ加賀丸いもです。

「加賀丸いものおいしい食べ方」

生の「とろろ」で風味とのど越しの良さも感じながら美味しく召し上がっていただくことはもちろんのこと、いろいろな調理法で楽しんで食べていただくことができるのです。

「生産者として食べ方を聞かれることがよくありますので、試行錯誤で食べ方を考えています。なかなか手間暇かけることはできませんが、加賀丸いもの特徴を引き出せるようなレシピ。だれでもできる簡単で美味しく体にも優しいものを日々妄想しています。(笑)」(雅子談)

☆農家のレシピはこちら

こうして能美市の特産物「加賀丸いも」を知っていただき、皆さまの食卓へとお届けしたいと生産者一同、日々頑張っています。

「加賀丸いも・基本の調理法方法」

「加賀丸いもの長期保存方法」

加賀丸いもの旬は11月から2月頃ですが、上手に保存すれば夏場もおいしいとろろが食べられますし、一年経ってもひね芋として食べることができるのです。

加賀丸いもの長期保存方法はこちらから

5.加賀丸いものご購入は通販で

☆加賀丸いもの購入はこちら

(期間限定11-3月頃まで なくなり次第終了)


おいしい加賀丸いも、大好きです!

ぜひ一度たべてみてくださいね(^_^)

「加賀丸いもの種いも(たねいも)について」

●ご購入について
◎加賀丸いもの種いも(たねいも)のご購入はこちら

ここ数年、加賀丸いもを栽培してみたい方々から多くのお問合せを頂いています。ありがとうございます!!
岡元農場で確保している種いもに少し余分がありますので、栽培してみたいという方には販売もしていますが、在庫あるだけですのでご了承くださいませ。(家庭栽培用)※注:販売期間は通常1月中旬から2月下旬になります。

●栽培方法について
◎種いも(たねいも)栽培について詳しくはこちら

※ご購入いただいた方には、簡単ですが《丸いもの栽培・種いもの植え付け方法》を同封しますのでご参考になれば幸いです。

※種いも購入前の栽培方法についてのお問い合わせにはお答えできかねますことを予めご了承ください。

★秋に収穫する加賀丸いもは、育てた方の人柄が出ると聞いたことがあります(笑)まん丸?!凸凹?!どんな丸いもが収穫できるか楽しみですね。みなさまの収穫が良い丸いもとなりますように!(^^)! Have a good Harvest !

【私たちの加賀丸いもはあの「とらや」さんでも使用されています】

 

 

私達、JA根上丸いも部会の加賀丸いもはあの「御菓子司とらや」様へ納めさせていただいています。

平成27年の冬には工場長様ご一行が訪ねてくださり、圃場見学と生産者との意見交換もいたしました。

今後は是非職人さまにも原材料の様子を見せたいということで、夏には再訪したいと願っています。

 

 

また我々生産者も工場へご招待いただきました。

実は皆さんも一度は食べたことがある加賀丸いも情報でした。

山の芋は全国各地にも産地はありますが、全国的に生産量が減っているようで、こだわりの和菓子近年県外からのお問合わせも増えています。

上用饅頭や上生菓子にも使用されている加賀丸いも(山の芋)は日本が誇る農産物の一つだと言っても過言ではないでしょう。